令和6年能登半島地震の支援報告(初動からこれまでの活動を更新)
令和6年能登半島地震の初動の支援内容は、こちらから
3月に2週間、動物支援ナースの隊員が奥能登支援に入り、現地の情報収集と県域ネットワークとの連携、被災地支援を実施しました。



青年協力派遣隊(JOCA)の方々と避難所を巡回し、自衛隊風呂での高齢者の介助をしたり、足の健康を保つ支援をしたり、避難所にそのままになっていたペット物資を必要な飼い主さまへお届けしたりしました。支援のペットフードの中には、ライフスタイルに合わせた組成がされているものも多く、それらを説明しながらお渡しすると、飼い主さまは、喜んでくださいました。



ペット防災サポート協会さまのボランティアトリミングや、ネコリパブリックさまの「民間団体による被災地の所有者不明動物の保護ガイドライン」に基づいた被災地での保護猫活動にも参加しました。
3月末は、教育の場を復旧させるためにも、避難所から少しずつ1.5次避難所や応急仮設住宅に移動し始めた時期でした。引っ越しの支援もしました。



現地に拠点を置いて活動している支援団体さんにもお会いし、お話をする中で、ペットの相談会の設置が決まりました。動物支援ナースに持ち帰って、隊員たちとMTGしたのち、ポスターを作成し仮設住宅の掲示板に貼って頂きました。
自分たちに行えることを考えて参ります。
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【第1回能登町仮設住宅ペット相談会】
令和6年4月14日(日)
とある地区の仮設住宅にて、愛玩動物看護師による「ペット相談会」を実施してきました。
今回は、動物支援ナース 新潟県支部が担当しました。



ちょうど企業さまのキッチンカーが来ており、多くの住民さんがいらっしゃいました。
ペットの心配ごとをお聞きしたり、ペットと一緒に暮らす子どもさんからもお話を聞きましたよぉー♪
マイクロチップを入れた!などのご報告も頂きました♪
つばめが子育てをしていて、亀も家族⤴︎日向ぼっこです。春ですね
帰りは、コンセール能登に寄り、お土産を購入♪
少しでも地元に還元を!
新潟から伺いましたので帰宅できたのは…真夜中でしたが、貴重な時間となりました。
仮設住宅や、周辺の皆さまありがとうございました。
会場にて温かく見守ってくださいました!JOCAの皆さま、オープンジャパンの皆さまにも、心からお礼申し上げます。
次回は、石川県の隊員(愛護動物看護師)が、5月15日(水)伺う予定です。
またご報告できればと思います。
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【第2回能登町仮設住宅ペット相談会】
5月15日(水)今回は、動物支援ナース石川県支部が担当しました。



前回の支援から引き継ぎました!ペットと一緒に暮らしております仮設住宅を、動物支援ナースと2名の動物事業者で、支援物資を持って巡回しました。つばめも元気でした!!


そしてJOCA能登町ベースの方もお越しくださり、
港町に地域猫が集まっていること、それを住民さん(ペットを飼っていない方も)が気にされていることを教えていただき、調査して参りました。
猫の健康状態は問題なく、元々漁の水揚げがあった場所で、猫がいることが当たり前であり、ある種の風物詩…癒しになっていました。
それでも不妊去勢は、必要かと思いますので、引き続き調査を行い、支援機関にお繋ぎできればと思っています。
現在の奥能登は、復旧してきており、スーパーや飲食店も開店し始めました。私たちもランチを頂き、わずかではございますが、被災地の経済を回すお手伝いができたのではないかと思います。
道も随分綺麗になりました。ぜひ多くの方々に、ボランティア支援に訪れて頂きたいと思います。
【お礼】兵藤哲夫アニマル基金さま http://h-ak.org/
隊員の交通費や、飼い主さまのニーズにあった支援物資に活用させて頂きます。ありがとうございました。
次回は、6月16日(日)となります。
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【第3回能登町仮設住宅ペット相談会】
6月16日(日)は、動物支援ナース 新潟県支部と2名の隊員で支援物資を持ち、現地を訪問しました。



集会所の前で広げて、お好きなものを選べるようにしています。
物資は、そのまま置いておくのではなく、必ず持ち帰り、次の隊員が持参するようにしています。
なぜなら…ニーズのない物資で集会所の場所を占領しないようにするためです。
集会所は、こどもたちの勉強の場や、大人たちの談笑の場として大切な空間です。段ボールで占拠されることのないのが理想です。
こうした支援ができますのは、石川県の動物病院が、私たちの支援物資を置かせて下さっているからです。いつもありがとうございます。
また私たちの新しい旗が、完成しました!私たちだとすぐに分かってもらえます♪



応急仮設住宅の訪問では、慣れない環境で外に出すのは、危険が多いこと
今は、特に苦情はないが、鉢植えをひっくり返したり、排泄をしたり苦情が出やすいこと
現在は、行政も室内飼いを推奨していることを説明して回りました。
そしてツバメは、巣立ちをしていましたので、綺麗にお掃除です♪
港の猫たちは、耳カットされた猫がいました。地元の保健所と連携した団体によってTNRが実施されています。

支援後は、地域の交流センターにも行き、お土産も買いました。
次回は、7月4日(木)です。
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【第4回能登町仮設住宅ペット相談会】
7月4日(木)は、動物支援ナース5名(愛玩動物看護師3名と看護師2名)、なんとペット事業者さま3名も、支援物資を持参でお越し頂き、手分けして応急仮設住宅の支援に入ることができました。
前日の7月3日(水)に金沢市文化フォールにて、チャリティーセミナーが開催され、多くの隊員があつまり、そのおかげで朝早くから奥能登への移動ができました。
チャリティーセミナーで集まりましたご寄付は、福山先生が石川県庁まで持参くださいました。被災地の復興の一助となりましたら幸いです。
主催の江角真梨子先生、福田亜美弥さん、講師のヤマザキ動物看護大学の福山貴昭先生!
ありがとうございました。









さて…7月4日(木)の支援の続きです。
あなみずの道の駅に立ち寄ったり、珠洲市のピースわんこさんがトレーラーを置いている「ペットの一時預かり所」にも立ち寄り、支援物資をお渡ししてきました。
自宅の片づけに行く際、ペットをそのまま避難所に置いていくことは、とても心配です。
そういった時に、預かって頂ける場所があることは、飼い主さまにとって助かると思います。
見学させてくださりありがとうございました。



午後は、仮設住宅でのペット相談会と、お困りごとがないか訪問を実施しました。
そして今回の支援は「ひととペット両方の熱中症対策」です。啓発掲示やクールネックを配布しました。






港の猫たちにも会いにいき、周囲の様子も見てきました。ペット好きが集まっていますので、猫の撮影に夢中♪もちろん健康状態も、ちゃんと看ています!
二手に分かれて仮設住宅を訪問しておりましたので、もう一方のペアは、猫の体調管理や爪切りの実施をおこなってくださいました。
次回は、8月11日(日)です。
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【第5回能登町仮設住宅ペット相談会】
8月11日(日)と12日(月)の2日間、動物支援ナースの本部と新潟県支部の2名で支援に入りました。
千葉科学大学 特任教授の小沼 守先生と中央動物専門学校の天野先生、地元の獣医師の山口先生がお越しくださり、豪華メンバーで被災地を巡回しました。
前回、ペットを飼っていない住民より、猫が外を歩いている姿をよく見かけるので「ノミ」が心配というお声を頂きましたので、今回は「ノミダニ予防」に重点を置いて支援を実施しました。



ペット同伴避難所のありました飯田公民館も、ほぼ仮設に移動されており、ピースワンコさんも撤退されていました。復旧が進んだことを感じることができました。



山口先生は、フレンチブルドッグもでしたが、猫にも好かれていて…私たちの出番がありません(;’∀’)w
軽トラックでお越しくださり、不用品の回収も行います!とも言っておられて、獣医師の立場を越えての支援に感動しました。
小沼先生とは、ノミダニ薬を持って仮設住宅を訪問しました。機器が揃っている訳ではないので、最低限の診察しかできませんが、飼い主さまが安心される様子がうかがえました。獣医師先生のパワーは、本当にすごいと思います。そして小沼先生のおかげで、私たちも100名近い隊員数となりました!
天野先生も、遠方からお越しくださり本当にありがとうございました。
こうした支援は、地元の機能が戻ってくれば撤退することが大切です。ノミダニ薬も、かかりつけ病院で実施しているのならば、そちらで行っていただくよう伝えております。ですが、なかには…被災によって車がなく動物病院に行けない、経済的な困窮も抱えているなどの事情をお持ちの飼い主さまもいます。何が正解かは分かりませんが、地元の動物病院も、飼い主さまもペットも困らない支援が大切なのだと思います。
この日は、花火大会が開催されるとのことでした。こどもたちが喜んでいました。
そして獣医師の先生を見送り、翌日、JOCAに支援に来ている看護師さんとともに、仮設住宅の集会所の「涼み会」に参加したり、掃除をしたり、引き続きペット暮らす仮設住宅を訪問しました。



震災から半年は過ぎたこの時期は、現在の生活に落ち着き、振り返りをされながら「ひととの関わりの中で回復していく時期」だと思っております。ひとりにならないことやひとりにしないこと…それが日々の暮らしの支えになるとも思います。JOCAさんでも「しっかりと話に耳を傾けてください」と言われていました。また私たちは、ペット支援で入っておりますので、ペットが逃げないように!とか、せっかくなのでペットを看てもらおうってことで、お家に招き入れてくださることが多いです。
ペットとの暮らしをみせて頂くことは、健康を守ることに繋がりますし飼い主さまの生活の様子も教えて頂けます。生活を守ることは私たちの本質ですので「動物看護師でよかった」と心から思える瞬間です。



そして「最近食欲が落ちて柴犬がおり飼い主さまが心配している」との依頼があり、訪問してきました。
飼い主さまは、仮設住宅に…柴犬ちゃんは、自宅にいるという状況です。仮設住宅は、隣近所が近いのもあり飼い主さまが気兼ねをされていることが多いです。ですので自宅に置いているという飼育方法を見かけることもございます。飼い主が一緒にいないということは…やはり危険も多いので、慎重に飼育環境を観察し情報収集していきます。



熱中症による食欲低下を危惧しましたが、家族の愛情が十分伝わってくるほど、さまざまなことに配慮された飼育空間でした。最初警戒していた柴犬ちゃんも、持参したフードは食べていましたので、飼い主さんと多くのことを話しつつ、様子見することになりました。
いずれこのお家も解体することになるそうです。真の復興は、建物や風景がもどっていくことではなく、被災した方々や動物たちもですが、生きる力や日々の安寧を取り戻していくことじゃないかと感じました。
次回は、9月11日(水)です。今回の訪問で、やっと日本レスキュー協会さんと直接お会いすることができました。秋田、山形の支援に入っておられますので、動物支援ナースも連携できればと思います。
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【第6回能登町仮設住宅ペット相談会】
9月11日は、石川県支部で、うかわ団地とふじなみ仮設を中心に訪問しました。前回訪れた隊員から「気になるから継続して看て」と申し送りを受けていたお宅を中心に巡回しました。



ほかの住民さんをケガさせないよう「爪を切って欲しい」というニーズがあり実施したり、猫が外に出てしまうので、おしっこによる苦情があったらしく、ハーネスをつけて散歩させている方に、危険などをお伝えしたりしました。
19歳の犬と共に暮らす飼い主さまにもお会いし、仮設住宅の中に入れてしまうと吠えるとおっしゃるので、お話をお聞きし、食事の時に室内にいって馴れされることを提案したりしました。
来月は、10月13日に訪問予定です。
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【第7回能登町仮設住宅ペット相談会】
10月13日(日)は、新潟県隊員と石川県七尾市の希望が丘どうぶつ病院の山口先生が共に訪問くださいました!
対象仮設住宅:うかわ、まつなみ、ふじなみ他、やなぎだ1件、かんまち1件 などなど沢山巡回しました。
8月の活動でJOCAさんと日レスさんと連携させていただき、訪問する仮設住宅が増えております。


幸いにも在宅されている飼い主様が多く、ペットの様子や飼い主様の健康状態について伺いました。
8月よりも外に出られている方も多く、元気に挨拶を交わす喜びも感じることができました。8月にJOCAさんの活動で涼み会を担当した際の住民の方ともお会いでき、元気そうな顔ぶれに嬉しくなりました。ペット関係なく、こういった取り組みができ、つながりができるのは、繰り返し訪れているおかげだと感じています。
その後、かんまち→やなぎだと移動し、能登役場に行くとボランティアイベントで玉こんにゃくをいただきました。
ふじなみ仮設は大きくて人の出入りが多く、活気がありました。
うかわの仮設は4月から訪問しているからかホームみたいな安心感(笑)顔馴染みになってきた飼い主様としばし歓談しました。
問題がないことが何よりです。
今回、飼い犬を亡くされた飼い主様がおられ、継続したグリーフケアも重要と考えます。私には力不足かもしれませんが、できることを精一杯させていただきました。
獣医師がいることでペットの体を触ってもらえる機会が増え、飼い主さまも安心したのではないかと思います。
今回うさぎさんの爪切りも行いました!毎回猫砂などの支援物資も持参しております。



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【第8回能登町仮設住宅ペット相談会】
日時:12月29日(日)
対象仮設住宅:能登町のうかわ、まつなみ、ふじなみ他、おぎ、かんまちの応急仮設住宅
メンバー:獣医師 山口先生、動物支援ナース2名
支援:獣医療の視点での適正飼養の継続と相談会。飼い主さまとの会話とペットグリーフ
お正月気分になるダルマのキッチンスポンジの配布、支援物資の配布。


今回も石川県七尾市の希望の丘どうぶつ病院の山口先生に同行いただきました。
雪の影響もあり、金沢市から能登町まで3時間近くかかりました。11時まつなみ仮設からスタート。
今回で8回目の能登町の訪問となり、どのご家庭もたくさんお話することができました!
(雨降りで物資が濡れるということを想定してなかったのが痛手)



新規依頼のあった猫ちゃんは、飼い主さんの話の中にどうやら相違が起きており、個体情報に新事実が発覚すると対応策が見えてきたなんてことも…。飼い主さんの話をよく聞くのは大切ですが、勘違いや思い違いをしていることもあるため私たちの目で動物をしっかり観察することも重要です。
かんまちの猫ちゃんは継続訪問ですが、腎臓病が発覚し通院しているとのこと…8月から顔つき脱水を心配していた猫ちゃんでした。
オレンジジャンパーを着て訪問してたこともありますが、継続支援をしていることで、飼い主さんや住民の方の表情に劇的な変化を感じました。
初回は警戒することもありましたが、今回は『あぁ~ちょっと待ってねー(猫を連れてくる)』なんてやり取りが多くありました。
今回は、主に雨雪の中の行動で、オレンジジャンパーでも対応しきれずカッパがあるとよかったなぁと…でも濡れたまま招き入れてくれた家の中に入るのもどうしよう、と。毎回学び多き活動です。
うかわ地区は4月から訪問していることもあり、ホームのような場所♪私たちもホッとする場所です。
ただ、インフルエンザが流行中とのことで…心配です。
雪の影響も懸念し、今回は2泊3日で余裕を持った訪問となりました。
そして震災から一年。継続支援の大切さをとても感じておりますし、私たちも毎回気づきを頂き、それが動物支援ナース全体の学びとなっております。
【お礼】アニマルサポート福島さま https://alshukushima.jimdofree.com/
隊員の交通費や、ニーズにあった支援物資に活用させて頂きます。ありがとうございました。
次回は3月中旬を予定しております。
応援くださる皆様に、心から感謝申し上げます🙇♀️来年もどうぞ温かく見守ってください。
良いお年を‼️次回は、3月16日(日)です!

