災害時、遠くからでもできること

日本各地で災害が相次ぎ「いますぐ何かできることがしたい」「ペットは大丈夫だろうか」と心を痛めておられます方も多いのではないでしょうか。
今回の豪雨災害被災地の皆さま、そして災害救助法が適応され、現地からの要請を受け、既に支援に入られている皆さま、熱中症や怪我に気をつけ、安全に活動くださいますことを祈るばかりです。


私たち動物支援ナースは…「災害支援は、アニマルレスキューではなく人道支援」として皆で支援を検討しながら活動を行なっております。その中で遠方からでもできることを皆さまにもシェアできればと思います。


①人命救助時期(発災後72時間程度)に邪魔をしない
ペットのためにと、むやみに行動すると自衛隊や消防、警察、医師や医療職、災害救助のプロなどの邪魔となることもあります。
また皆さまが、2次被害に遭うことも…



②落ち着いて行動するためにも、被災地へ向かわず、まずは情報収集を
皆さんの車では危険であり、許可の上でも通れない道もあるかもしれません。その立ち往生が渋滞の原因や支援車両の邪魔になることも…



③「必要とされている」時に、動き始めましょう。
災害ボランティアの経験がある人、被災地で必要とされるかもしれない技能や技術がある人は、今までの繋がりから要請があり動かれます。
またコロナ下で、ボランティアの募集も県内や市内、町内などに限定されることが多いです。
ニーズがない支援は「押し付け」となりうる可能性もあります。繋がりをつくることから始めますと、「必要とされ」支援を行うきっかけを掴むことができます。



④情報収集のための現地への問い合わせは、しないようにしましょう。
現場が混乱している中で対応をされていたり、受け入れを準備されているのに、問い合わせを行うことは、迷惑な行為です。
厳しいことを言うようですが、現地への問い合わせでしか情報が取れないという方は、支援の前に知ることが他にもあるということだと思います。
③同様、繋がりをつくること、学ぶことで情報収集の仕方が分かります。



⑤遠方から、知り合いや家族への連絡は、混線しないよう気配りを
家族や知り合いの安否の確認が取れた人、被災地に家族がいないという人は、むやみに被災地の知人に連絡を取ろうとしないこと。まだ安否がわからないという人々のために、回線を混雑させないことが重要です。
情報収集にと、やたらアクセスしサーバを落とさせないことも、本当にその情報を必要としている人のために、遠方からできることです。



⑥むやみに情報を拡散させないこと
TwitterなどSNSの情報を信用しないこと。すぐにRTやシェアをしたりせず、情報源を確かめ拡散させる前に「デマの場合、誰の迷惑になるか」をしっかり考えることが必要です。また何故あなたが拡散を行うのか、誰に届けたいのかを熟考することも重要です。



⑦救援物資を送る際にも、しっかり考えましょう。
先ほどの①②に繋がりますが、「被災地までのルートを混雑させるべきでない」というのは、物資にも当てはまります。また「支援物資を受け付けているか?」という問い合わせも、現地の人の手をわずらせます。
*しかしながらペットの場合、必要な物資が届きにくい傾向にあり、遠方からの物資支援は、有り難いものです。そこでポイントです。
現地に知り合いがいて「現地で動くだけの余力や人材がある」「現地の必要な物資や必要な数量が分かる」「物資を受け取れる(宅配業者に届けて貰える環境にある)」「受け取った物資を直接渡しに行ける場所にいる(被災地の車両規制が解除された)」などの条件が重なっていることが重要です。
*また浸水被害は「古タオル」がたくさんあると助かります。送って欲しいなどの要請がある時にすぐに送れるよう準備しておくのも遠くからできる支援だと思います。



⑧寄付 
救援物資よりも、すでに活動を行なっている団体への寄付の方が、現地支援が届きやすいこともあります。
*ただし見極めが重要です。本当に活動をされているのか、正しい情報を配信されているかなど各自で活動団体を精査することも大切です。
⑨募金
募金を装った詐欺に注意し、義援金が確実に被災地へ届くよう、信頼できる団体を通じて送りましょう。



ペット支援は、ボランティアに支えられている部分が大きいです。そして行政や公的機関の方々は、「ひとが困らないために」ペット支援に動かれます。
どちらも「ひととどうぶつ両方」が助かる大切な支援です。
あなたのSNSの投稿が、必死で頑張っておられる方々の手を煩わせることのないようにしまうことも、大切な遠方からできる被災地支援です。
どうぞ一方の視点ではなく、多角的な視点で記事を見るようにして行きましょう。


そして現地での活動を検討されておられます方々へ
ペットのためなら、ルールを破ることが許される訳ではありません。
災害支援時のルールは、現地の方々を守るために重要なことです。
ペットの災害支援のルールは、地域防災計画に記載されております。市のHPにアクセスし、地域防災計画にあるペット支援の部分を見ましょう。
環境省がまとめているものもあります。
https://www.env.go.jp/…/aigo/1_law/files/d_300401.pdf
公的な方々の意見には、しっかりと耳を傾け、その上でペットにも、ひとにも必要な部分があれば伝え、相互にとって「良い着地点」を見つけることも大切です。
また何より現地の方々の間で、運営しながら始めておられることは、その後の復旧復興のためにも大切なことです。現場に寄り添う支援も大切に…